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覚えておこう基本テクニック

正しい減速とシフトダウン

前のページでお話したシフトアップ時の回転数の合わせ方を、私は兄から教えてもらい、その後、『ライディング事始め』という本で詳しく知りました。

教えてくれる人がいなくて、本も読んでいなかったら、私はいまだにシフトアップ時に回転数を合わせるということを知らずにいたかもしれません。


その逆…つまり、正しいシフトダウンの仕方について知ったのは、その、ずっと後のことでした。

どういう経緯だったか、ベテランのバイク友達を後ろに乗せて走る機会がありました。
信号が赤になり、いつものようにシフトダウンして減速し、停止線で止まった時のこと。

「それはちょっとマズいよ」

と、指導が入ったんです。


その頃の私のシフトダウンのやり方は、こうでした。


ブレーキをかけつつ、クラッチを切ったままギアを一気にローまで落とす。
さらにニュートラルに入れて、停止位置まで惰性で流す。


つまり、エンジンブレーキを一切使わずに減速していたというわけです。


なぜ、そんなやり方をしていたのかというと、ギアを落としてエンジンブレーキがかかった瞬間の、『ガクン!』という衝撃が嫌だったからです。

経験ありませんか?

なんだかぎごちないし、ギアを落とすたびにガクガクして、下手くそっぽい。

だったら、エンジンブレーキがかからないようにすればいいんだ。

…と、無意識にやり始めたのが、この『クラッチ握りっぱなし』のシフトダウンでした。


だけど、シフトダウンがスムーズにいかないのにも、実はちゃんと理由があったんです。

そう、要はシフトアップと同じ。
シフトダウンの際にも、エンジンの回転数を合わせる必要があったんですね。

エンジンの回転数がきちんと合ってさえいれば、エンジンブレーキによる衝撃なんてあるわけないんです。


具体的な手順としては、こうです。

1.クラッチを切る
2.アクセルを煽るように回す(回転数を合わせる)
3.シフトダウンする
4.クラッチをつなぐ

実際には、この順番を意識する必要はありません。
これらの動作を一瞬のうちに、ほとんど同時に行うのだと考えて下さい。


もちろん、やろうと思ってすぐにできることではありません。

私も、後ろに乗っている友人から指摘を受けた後、このやり方を教わり、信号が赤になるたびに試してみましたが、すぐにはできませんでした。

何度かやってみて、ようやく、

「そうそう、そんな感じ」

とOKが出ましたが、これを意識せずにできるようになるまでには、さらに何日かかかったように記憶しています。


ですが、エンジンブレーキを上手く使えるようになると、街中やコーナーリングでもメリハリのあるスムーズな走行ができるようになります。
根気よく練習して、身体に覚え込ませて下さい。

きちんと回転数を合わせてシフトダウンすることは、エンジンやブレーキパッドの負担を軽減することにもつながります。


また、エンジンブレーキを活用することは、急ブレーキ(急制動)の際の停止距離の短縮にも有効です。

車(MT車)の場合はシフトチェンジをしている暇があったらブレーキを思い切り踏み込んだ方が短い距離で停止できますが、バイクの場合、フロントやリヤブレーキだけに頼ってしまうと、タイヤがロックしてしまう可能性もあり、危険です。


ただし、エンジンブレーキだけに頼りすぎるのも考えものです。

エンジンブレーキではブレーキランプが点灯しませんから、後続車が前方をよく見ていなかったり、車間距離を開けていなかった場合など、追突される恐れがありますから。


減速の際にはエンジンブレーキを上手に使い、必ずフロントブレーキやリヤブレーキと併用する。

これが、鉄則です。


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